大阪では数年前から行政主導で「都市のエコ環境推進」活動の一環として「打ち水」が行事として行われ、古くからの習慣が再認識され始めています。
市役所前の石畳や御堂筋の歩道などで夕刻から一斉に行われていますが、今年(2013年)からは中之島ウエストの地区でも地元の民間組織が主催して「打ち水プロジェクト」を立ち上げ、市役所前での行事日程に併せて(今年は7月19日)、盛大な打ち水を行っています。
その他、梅田地区など合わせて市内約30箇所でも夏期に打ち水が実施され、全市的行事として定着しつつあります。
「打ち水」で撒水しているのは河川処理水で大阪府河川室などが当日朝から用意し提供しています。
都心部のヒートアイランド現象を鎮め、冷房だけに頼らずに、真夏の街に涼を呼ぼうという試みです。夕方の打ち水で涼しい風が起こり、気温も2~3℃下がって、人も草木もその涼気に生気を取り戻します。
ちなみに、「打ち水」「水打つ」は俳句では夏の季語。古くから料亭などでは夕刻にお客様をもてなす厨の準備が整うと、「用意万端、お待ちしていますよ」という歓迎のサインとして、女将が玄関先へ出て「打ち水」をする習慣が続いています。
水打ちて よごせし足の美しく 中村 汀女
水打つてそれより女将の貌となる 鈴木真砂女
水打つてあそびごころの見えてをり 森 澄雄
(2013年8月)