ぶらこうじカルテ No. R-014-1 名称:熊野街道・帝塚山
場所:大阪市住吉区帝塚山 ぶらこうじ指数:58
=熊野街道の面影の残る住吉大社から天王寺への道=
印象:住吉大社の反橋(写真下左)を渡って御社の参拝を済ませ、夫婦楠の御神木(写真中)の脇から裏参道を抜けると、昔の旅籠らしき家並(写真下右)の所から旧熊野街道に合流する。ここから道を北上すると八軒家までは二里とちょっと(9㎞弱)の距離である。北へ暫く進むと正面にあべのハルカスが見えてくる。熊野街道は阪堺電気軌道の上町線の路面電車のルートに沿って帝塚山の町並みを抜けてゆく。途中の姫松から天王寺の間はほとんどが路面電車の広い道になるので旧街道の面影は失われている。
帝塚山3丁目付近で街道の西側に万代池(写真下左)が見える。都心の住宅地の公園としては相当広いオープンスペースであり、地域のシンボルとなっている。ここから姫松までが一番旧街道らしい家並のゾーンとなっていて、豪華な造りの旧家(写真下中)などがところどころに見受けられる。姫松の駅を過ぎると路面電車の走る広い道(写真下右)が旧街道ルートとな
る。道の正面に黒く「あべのハルカス」のシルエットが見える。(2018.11清水h)
ぶらこうじカルテ No. R-014-2 名称:熊野街道と住吉大社
場所:大阪市住吉区他
印象:今回のぶらこうじ踏査は、住吉大社から天王寺まで熊野街道を逆に辿ることになった。住吉大社は、今は海岸から離れているが、古代は海にもっと近く、遣唐使船にも祀られた国家的な航海守護神である。熊野御幸一行は、出立前に住吉大社に詣でたという。
住吉大社境内にあるパワースポットを紹介する。まず、末社である大歳社の「おもかる石」。霊石を持ち上げた後、願い事をして、再び持ち上げた時に軽いと感じれば願いは叶うと言う。重いと感じた場合は、もっと努力すれば成就するとのこと。自力本願にしろ、他力本願にしろ、望みが叶いそうなハッピーになるパワーストーンである。
もう、ひとつは「五大力さん」。五・大・力と書かれた三つの小石を、五所御前の玉砂利から探してお守りにすれば、心願成就のご神徳があるらしい。五大力とは、不動明王はじめとする仏教の五人の明王であるが、神仏習合の信仰が読み取れて面白い。
住吉大社を出て、安部晴明神社、万代池、帝塚山住宅街を見ながら、歩いたり、阪堺電車に乗ったりして天王寺まで行く。天王寺公園(てんしば)は、土曜日ということもあり、大道芸人、ライブ、それを見る若者、家族連れで、祭りの縁日のような雑踏である。民営化でこんなにスペースの活力は変わる。(2018.11 室井)