ぶらこうじカルテ No. R-019-1 名称:古市古墳群
場所:羽曳野市・藤井寺市 ぶらこうじ指数:48
=河内平野に広がる世界遺産登録の古墳群=
印象:古市古墳群は堺の百舌鳥古墳群とともに世界遺産に登録された、4世紀後半から6世紀中頃までに造営された130基の大王墓であり、そのうち長さ450メートルと最大の「応神天皇陵」(写真左)を中心に踏査を行った。河内平野にばらばらの方向で大小さまざまな古墳が連綿と広がるさまは大都市の市街地において極めて特殊な風景である。
地元では世界遺産登録を受けて「羽曳野市文化財展示室」の開設など観光振興の施策をとっているが、展望所などもないので見学に来る人は少ないようで商店街も人通りは少ない。(写真右)
古墳は原則的に立ち入り禁止になっていることも観光にはマイナスであるが、応神天皇陵の北側に続く「古室山古墳」(写真下)は唯一内部に立ち入りできる前方後円墳であり、散策を楽しめる。(清水h.2020.10)
ぶらこうじカルテ No. R-019-2 名称:古市古墳群
場所:大阪府藤井寺・羽曳野市界隈
印象:コロナ禍の影響もあり久々のぶらこうじ。今回は世界文化遺産認定を受けた百舌鳥古市古墳群の古市エリアを訪ねた。この地区には大小さまざまな30ほどの古墳が集中している。
スタートは、近鉄道明寺駅、ここからほど近くにある道明寺天満宮と道明寺は東高野街道を挟んで東西に位置している。いずれも菅原道真公にゆかりのある寺社で、国宝十一面観音立像が安置されている道明寺には、お堂の階段脇になぜかキリンの像が鎮座している。ユーモラスな雰囲気が伝わるお寺である。
次に向かったのは、仁徳天皇陵についで大きな規模を誇る応神天皇陵。途中、古室山古墳の10mほどの頂上を踏み越えていく。ここは公園として開放されているようで、古墳といいながら自由に出入りできる。
応神陵は古墳に盛られた土量が最大ということらしいが、巨大な古墳が当時どのように造営されたのか、以前古墳造営について聞いた話を思い出した。大規模造成に欠かせない調整池などの土木技術導入や大勢の作業者を長期間束ねる労働環境整備など、現代にも通ずる施策が当時から行われていたというような内容であった。
ところで散策マップを眺めると、それぞれの古墳の向きがバラバラになっているのが気にかかる。どうやってその方角を決めたのか、古代ロマンに浸りながら帰途につくことにした。(吉田.2020.10)
(上左)道明寺のキリン (上右)古室山古墳 (下)応神陵拝所