OSAKA ぶらこうじ余話コーナー ◆大阪の長屋文化

ぶらこうじ余話  NO. M-005 名称:大阪の長屋文化

場所:大阪市東住吉区、阿倍野区阪南町界隈

鷹合、針中野から南田辺、昭和町へと街並みを踏査した。このあたりは昭和初期に建てられた長屋がところどころに残っている。長屋というと狭隘な住まいを想像しがちだが、例えば、阿倍野区阪南地域で実施された土地区画整理エリア(都市計画事業)では、電気・水道・ガス風呂・トイレ・下水道が完備され床面積も90㎡程度と結構広く、いわば戦前のニュータウンであった。大阪の長屋では、玄関が直接道路に面した直接型だけでなく、邸宅風な門塀を設けた「門塀型長屋」(写真左)や、開放的な前栽を設けた「生垣型長屋」(写真右)も建設され、当時の庶民の住宅としては先進的であった。阪南町の寺西長屋(ぶらこうじカルテ:昭和町参照)のように、そうした長屋を再生・活用し、街づくりの核にしようという動きがある。(室井 2016.10