オピニオン 「必ず着用しよう自転車ヘルメット」
令和5年4月から自転車のヘルメット着用が「努力義務」となった。改正道路交通法の施行によるものである。この「努力義務」は現行法では13歳未満となっているが、これをすべての自転車利用者に拡大する。
実際に自転車の死亡事故で最も多いのは頭部へのダメージが主因となっている。その反面、自転車利用時のヘルメット着用率は全国平均で約11パーセントと低い水準である。
ミニバイクと比較してみると、ミニバイクは法定制限速度30kmであるがヘルメット着用率は法定により100パーセントとなっている。自転車では30kmを超えるスピードが出せる反面、タイヤも細くてミニバイクよりスリップ・転倒しやすい。また、自転車ではミニバイクのようにエンジンブレーキが利くということもない。このように自転車はミニバイクより安全性能が心もとない実情であるが、ヘルメットはこども以外ほとんどの利用者が着用していない。
その理由の一つは駐輪時のヘルメットの保管場所の問題である。ミニバイクはバイクのシート下に安全に保管できるが、今の自転車にはヘルメットの保管場所がない。自転車のフレームにヘルメットを括りつけておいても、盗難にあうことが多い。
提案したいのは自転車に安全なヘルメット保管用ロックホルダーを標準装備することである。ヘルメットのほうはこのホルダーに着脱できる装備として、駐輪時に取り付けることを一般化したい。
このようにして自転車ヘルメットを「完全義務化」すれば、自転車用ヘルメットは大量に需要が発生するので、量産によるコストダウンに加えて自治体による補助事業も採用すれば実現は容易になるはずである。
今回の改正法施行を契機に自転車の安全走行についての国民の意識改革を求めていきたい。 (2023.4 清水治彦)