三井住友銀行の大阪本店ビル(中央区北浜)は、大正期に建てられたレトロビルとして歴史的価値が高いことから、そのまま保存していくことがこのほど決定し、大規模な耐震工事が始まりました。
三井住友銀行大阪本店ビルは土佐堀川に面し中之島の対岸に位置して、都心の一等地にあります。地上6階、地下1階、延べ34、000㎡の重厚なデザインの建物で、住友財閥の拠点として、大正15年に当時の技術の粋を集めて建てられたものです。
外壁は古墳時代の石棺にも使われた竜山石(たつやまいし)を兵庫県西部から切り出してきたもので、現在では再現できない建築外装です。また、玄関脇や1階の内部の柱はギリシャ様式の高さ12メートルの円柱が使われ、ビルの格式の高さを象徴しています。
今回は約50年ぶりの改修工事で、耐震板を設置して耐震性を向上させる工事の他、水害に備えて高さ1.2メートルの防潮板を設置する工事も進められます。工期は2013年5月から2015年4月まで約2年間の予定です。(2013年6月)