◆ダイビル本館、旧館のファサードを再生

 大阪市北区中之島に建設が進んでいた「ダイビル本館」は2013年2月に完成しましたが、低層部は1925年(大正14年)竣工の「旧ダイビル本館」の外観を復元するなど、往年の名建築を次代に継承する建物として開発されました。
 このビルは、中之島3丁目共同開発の第3期工事として、第1期の「関電ビルディング」(2004年竣工)、第2期の「中之島ダイビル」(2009年竣工)に続き完成したものです。オフィスゾーンは5月連休明け、商業ゾーンは7月のグランドオープンが予定されています。
 低層部の外観は、煉瓦と石彫刻が特徴的な「旧ダイビル本館」竣工当時の意匠を復元しています。煉瓦は旧ビル解体時に約18 万個を手作業で取り外し、当ビルの外装材として北面・西面に再利用しています。また、中央玄関上の大国貞蔵作「鷲と少女の像」を始めとした石彫刻の多くも旧ビル解体時に一点一点取り外したものを再利用しています。
 一方、高層部は軽快なデザインで低層部を引き立たせるとともに「関電ビルディング」「中之島ダイビル」との街区全体の調和も図られています。
 また、「ダイビル本館」は地下2階で「中之島ダイビル」と接続し、京阪中之島線渡辺橋駅と地下で直結しており、周辺地域から京阪中之島線へのアクセスも向上しています。(2013年4月)

旧ダイビル本館の外観を低層部で継承
旧ダイビル本館の外観を低層部で継承
煉瓦と石彫刻が特徴的な「旧ダイビル本館」の意匠を復元・再生
煉瓦と石彫刻が特徴的な「旧ダイビル本館」の意匠を復元・再生
1階玄関ホールも旧館のたたずまいを継承                                (写真撮影:清水治彦)
1階玄関ホールも旧館のたたずまいを継承                                (写真撮影:清水治彦)